昨日までの嘘、明日からの嘘

わたしは、昨日まで嘘をついてた。

「異性から言われて一番うれしい言葉は？」って聞かれたら、「おもしろい」だって答えてきたけど、よく考えたら、ほんとは違う。
言ってもらえる確率の高い言葉を挙げて、自分を守ってきただけだと思う。

わたし、本当は、「好き」とか「かわいい」とか、女の子っぽいこと言われたかったんだと思う。
過去形ではなく、今も。
いい歳して。
でも本当。

夫からは「好き」とも「かわいい」とも言われたことがない。ただの一度も。
ということは、わたしが最後に「好き」とか「かわいい」とか言われたのは、10年以上前ってこと。

そういう言葉を最後に言ってくれた人は誰だったんだろう。
この先、誰かに言われることあるのかな。
もし、死ぬまで誰にも言ってもらえなかったら。
なんか、考えただけで悲しい。

KinKi Kidsのように「愛されるよりも愛したい」と思ってたときもあったけど、愛されてない時代が長く続きすぎで、今はものすごく愛されたい。
ていうか愛でられたい。
なんの見返りも求めず、愛玩動物のごとく、ただ愛してくれる人に出会いたい。

そんな相手がもしいたら、このままのわたしでいていいんだなあって、今よりずっと安心なのに。
そんな人は、現れないのかな。

日頃、ともだちや取引先の人にやさしくされて、身の丈以上に愛してくれる人たちに囲まれて、わたしはすごく恵まれてる。
だけど、周りから愛されることと、特定の誰かに「特別な一人」として愛されるのは、やっぱり別物だと思う。
決定的になにか足りなくて、さみしい。

でも、こんなことでさみしがってるなんてかっこわるいから、明日からもやっぱり嘘をつこう。

愛されたいなんて望んでない。わたしは一人でへっちゃらよ。

子どもたちがいるから大丈夫。
ともだちがいるから大丈夫。
仕事があるから大丈夫。

わたしはこのままでも大丈夫。
がんばれる。がんばろう。