雑記 雑感 エトセトラ

日々、思考回路を暴走中。

心臓の裏側

先週の金曜日。こわくて、ショックで、どうしようもない出来事があった。

 

心臓がぞわぞわした。心臓に鳥肌が立ったみたいだった。

 

ぞわぞわした心臓の輪郭が、体の中ではっきり感じられて、ああ、ここに心臓の裏側があるんだなと思った。

心臓が縮んで、まわりとのあいだに、すきまができたみたいだった。

 

自慢じゃないけど、わたしは数年前までろくに友だちがいなかった。距離の取り方がわからなくて、心を開ける相手なんてほとんどいなかった。

言いたいことはいったん口で止めて、言って伝わるのかなって考えて、大部分を飲み込んだ。伝わらないことを言うのはばかみたいだから、趣味の話も、思いついたどうでもいい話も、人に話せずたくさん捨てた。

 

顔見知りならたくさんいた。でも友だちだと思ってる人はほとんどいなかった。親友なんていなかった。親友がどんな存在なのか、わたしは今も知らない。

 

そんなわたしにとって、「この人はともだちだ」って自信をもってたともだちが、事件に巻き込まれた。なにもしてないのに。無差別に。

 

借りたCD返してない。会ったら言おうと思ってたどうでもいい話もいっぱいある。明日も明後日もいつでも会えると思ってた。こないだしゃべってたフィッシュマンズの話の続き、いつできるんだろう。

 

一命を取りとめて、生きててくれた。今はただ、そのことを感謝するだけ。「よかった」なんて安易に言えない。 なにもよくない。奪われた日常が完璧に元通りになるとは思えない。途切れた日常が、どんな形で戻るのか、わたしにはわからない。

 

命が助かるかどうか、連絡を待ちわびるあいだ、いろんなことが頭をよぎり、心をめぐった。あまりに衝撃で、現実味がなくて、でもやっぱり現実で。事実だと理解していても実感がなくて、ずっと夢を見てるみたいだった。

 

わたしは生きてる。ともだちも生きてる。でも、死は、すぐそこまで迫ってた。

映画『おくりびと』で、もっくんがいきなり広末涼子を求めるシーンの心境が、なんだかわかった気がした。自分が生きている実感や、人が生きているその体温を、確かめたいと切実に思った。

 

夢ではないとわかった今、できることは、待つことと、祈ることだけ。

だいすきで、大事で、たからものみたいなともだち。まあ、むこうがわたしのことをどう思ってたかは知らんけど!

次に会えたら、最初に言うよ。生きててくれてありがとう。

 

 

ちなみに今日のわたしの気分はこれ。

youtu.be

恋人なくした乙女かよ。