胸元の地平線
ワールドカップを「W杯」と略すのはうまいなあと思う。
これを「Wカップ」って書くと、下着のサイズにしか見えない。
Wまでいくと、トップとアンダーの差は1メートルくらいになるのかしら。巨乳を通りすぎて「長乳」みたいになりそう。
教師をしていた時代、ニヤニヤしながら「先生は何カップですか」って直球を投げてきた中3の男子に、
「先生は何カップにも相当しないほど完全なる平面だよ。アルファベットで言うならxy平面」
って正直に答えてあげたのがなつかしい。
「フルフラット」「バリアフリー」「New Horizon」
わたしの平面的な上半身に、ポジティブかつ新しい、ほめ言葉を模索中。
New Horizon、いいな。なんか壮大。日が昇り、日が沈む。悠久の大地って感じ。
新しい貧乳の表し方として、けっこういいと思う。堂々と、ない胸を張って生きられそう。
まあ英語の教科書じゃんって気もするけど。
わたしは貧乳を通りこして、もはや「無乳」なので、生きてるあいだにせめて貧乳に昇格したいとつねづね思っている。
大胸筋を鍛えよう。もう成分が脂肪じゃなくてもいい。マッスルな谷間を作るのだ。エアーズロックみたいなやつでもいい。
来年の目標は、地平線に谷間。
ちなみに直球を投げてきた中3男子は、その後、東大生になりました。アホだと思ってたけど賢かった。
こういうのって、言ったほうは覚えてないんだろうけど、先生は、おまえのニヤニヤしただらしない顔を、一生忘れないぞ。