過去形になること
たまたま目に付いて読んだ、とても短い、詩のような小説。
#7 それは、ほしかったもの | ことばのおくりもの - 三恵の小説シリーズ - pixiv
ちょうど自分の頭のなかにあった感覚と重なるものがあった。
pixivの小説は読んだことなかったんだけど、こういうときに、こういうものが、「たまたま目に付いて」「なぜか読んでしまう」って、ふしぎなものだなと思う。
「ほしかったもの」とは少し違うかもしれないけど、「好きな人」が「好きだった人」に変わるきっかけは、前向きで、おだやかなものだといいなと思う。
気づかないうちの、自分の成長とか。
好きな人でも、好きなモノでも、自分自身の自然な変化以外で「好き」を取り上げられてしまうと、その途切れた先を探してしまって、終わらせることが苦しい。
自分の意志で「好き」を「好きだった」に変えるのは、とても難しい。
「好き」から「好きだった」への変化は、後から気づくぐらいがいい。
静かに、気づかぬうちに通り過ぎたい。そして、振り向いて初めて知るくらいがいい。
ずーっと好きだったものが、最近少し変わってきた。
「好きじゃなくなった」と言うと少し違うし、「むかし好きだった」と言い切れるほど今と切り離せてるわけでもない。
でも、「好き」という感情からは、明らかに距離ができた。
好きでいることをやめようと努力してたときにはできなかったのに。
わたしの中で、なにかが少しずつ変わっていく。
ずっとあったものが、なくなっていく。
すごく不思議で、少しさみしい。
「きっとずっと変わらない」と思っていたものが変わっていく。
激しさも、騒がしさも、途方もない絶望も、なにもなく。
ただただ静かに。
この変化に、自分がいちばんびっくりしてる。
喪失感はない。ただ、その感情の不在に、少し戸惑う。
もうずっと何年も、当たり前のように、そこにあったから。
この一年は、いろんな感情から解放された一年だった。
少しずつ、身軽になった。
ずっと沈めてきた願望とかも、外に出せるようになってきた。
わたしはこれから、あたらしいわたしになっていくのかな。
今のわたしが知らないわたし。
その先に何があるのかはわからないけど、そこにはとくに期待せず、変わる自分をたのしみたい。
来年は、きっと、もっと、いい年になる。
変わり始めたものを、変えていける。
そんな気がする。そうだといいな。