n回ころんで
むかしから「七転び八起き」という言葉が気に入らない。
転んだ回数より多く起き上がるって、どういうこと?「n転びn起き(nは任意の自然数)」ならわかるけど。
「たくさん」ってことが言いたいなら、「百転び千起き」くらい思い切ってくれたら数の違いも気にならないけど、七とか八とか、具体的すぎて気になる。
そんなわけで、長年、「なんか数の選び方のセンスがない言葉だな」と嫌っていたけど、今日、あることに気がついた。
あれ、もしかして、スタートの姿勢が違う?
わたしは、初期条件として、「人間は立っている」と思ってた。だから
コケる→立ち上がる→・・・→コケる→立ち上がる
で、最終的に立ち上がるためには「n転びn起き」が正しいはずだと思ってた。
でも、初期条件が「お前はもうコケている」(ケンシロウ風)という状態だったら
立ち上がる→コケる→立ち上がる→・・・→コケる→立ち上がる
最終的に立ち上がるためには「n転び(n+1)起き」になる。数が合う。
そうか、七転び八起きって、そもそもコケてる状態から数えたらよかったんだ。
けっこうひどい初期設定だな。
失礼だな、わたしはコケてなんかないぞ!(被害妄想)
あんまりしつこく考えてたら、だんだん「何度失敗してもあきらめず立ち上がる」というよりも「何度立ち上がってもまたコケる」みたいな意味に思えてきた。ちがうちがう。
まあ「n転びn起き」でも「n転び(n+1)起き」でもn→∞になれば同じだな。
転んでばかりの人生だけど、nの数だけ、経験値。