声に出して読みたい物質
だいたいどこの家にもある、なにかと便利な白い粉、重曹。
物質名、炭酸水素ナトリウム。
重曹で排水口を掃除をしながらふと思った。
声に出して読んだとき、ひびきが耳に心地よいのは、
「じゅうそう」よりも圧倒的に
「たんさんすいそ なとりうむ」だ。
ちょっとみんなにも、声に出して読んでほしい。
四拍子のリズムにあわせて、せーの、
たんさん すいそ なとりうむ
タンタン タタタン タタタタタン(ウン)
※ウンは一拍分お休み
あー、なんか心地よい。耳にも口にも心地よい。
タンバリンかカスタネット叩きながら言いたい。
マラカスでもいい。
四拍子のリズムにはまるものって、心地よいものなのかなあ?
と思って調べたら、日本人全体の傾向として、どうやらそういうものらしい。
七五調(俳句や短歌)のリズムも同じ。
四拍子のフレーズは、なじみやすくて、覚えやすい(覚えられやすい)らしい。
言われてみれば、確かにそうだ。
「スリジャヤワルダナプラコッテ」とか、「墾田永年私財法」とか、ときどき無意味に思い出す(そして無意味につぶやいてしまう)言葉も、確かにこれだ。
高校生の頃、名前が(というか名前だけ)好きだった化学物質、パラヒドロキシアゾベンゼン(※)も、アルキルベンゼンスルホン酸も、見事な四拍子だ。
平家物語の「祇園精舎の鐘の声」の部分を「パラヒドロキシアゾベンゼン」と入れ替えても、リズム的にはまったく違和感がない。
これはもう完璧に音楽的で、心地よい名前と言っていいと思う。
いいなあ、音楽的な物質名。
声に出したい化学物質。
きっとほかにもあるはずだから、記憶を頼りに探してみよっと。
※パラヒドロキシアゾベンゼン
わたしが高校生のときは「パラヒドロキシアゾベンゼン」だったけど、今は「パラフェニルアゾフェノール」って習うのかな?たぶんだけど。